司会・ビジネスボイスPro講師 森藤 りか

コラム 声×言葉

コラムVol.4「人の心を癒す声とは」2018年7月

コラムVol.4「人の心を癒す声とは」

『いい声ですね。とても癒される声です。ずっと聞いていても気持ちがいいですね。』
先日司会をしていたとき、私の声を褒めて頂きました。
褒めて下さったのは二胡の先生の奥様で、癒しの音色、二胡に囲まれている方からの、癒される声評価!身に余るお言葉ですが、最高に嬉しかったです。

そういえば、最近、声を褒められる事が増えて来ました。
司会の感想を言われるとき、褒めるところがないと、とりあえず声を褒めると言われますが、まさか ...(笑)
ということで、今日は自分の声について考えてみたいと思います。

自分の声の短所としっかり向き合ってきました。

自分の声が嫌いという方が多いようですね。
私もそうでした。

声のお仕事をしていますが、勉強を始めた当初はコンプレックスだらけでした。透き通った綺麗な声の同期、滑舌が良く、表情豊かな声の同期、それに比べて私は、曇った様な声で、時々鼻声が強くなって、決して綺麗な声とは言えないと自分で思っていました。
よく響く透明感のある美しい声の人がとても羨ましかったです。

特に、鼻声が一番嫌でした。
鼻声は、舌の筋力が足りないことも原因となるそうで、舌を鍛えて鼻声を改善することが出来る事を知り、少しでも聞きやすいクリアな声になりたいと思い、トレーニングをしてきました。

鼻にかけない発声がしたいと、舌を鍛える方法をいろいろやりました。
その方法は、こちらです。

鼻声改善トレーニング

1、舌先を口から出して10秒間キープします。
2、顔をやや上向きにして舌先を曲げます。
3、その舌先を鼻の方に伸ばして10秒間保ちます。
4、鼻から息を吸うことを意識して、この動作を数回繰り返します。

他には、舌を出したまま、『あえあえあえあえあー』と声を出したり。
口を閉じて、口の中で舌をぐるっとひとまわり動かすのも、よくやります。

『舌の運動会』と名付けています。歯の表面、歯茎を舌でなぞるように右回転、左回転させるので、舌がトラックをまわっているみたいでしょ。皆さんもやってみて下さい。この動きは、唾液がたくさん出るので、歯の健康や口内の健康を保つ効果や、ほうれい線予防にもなるそうです。

即効!鼻づまり解消法

さらに私、アレルギー性鼻炎もありまして…
その季節にはいつも苦労しています。

そこで、私の中で即効性があると感じている鼻づまり解消法は、舌で口の上部を抑えつけます。
舌を離し、2本の指で両眉毛の間を抑えます。
疲れ目の時に押さえる睛明(せいめい)というツボです。
鼻づまりが治るまで数回続けます。

あと不思議なのは、本番中は、スッと鼻が通り鼻水も止まります。
そして、本番が終わると、止まっていた分も含めて、ドォ〜っと押し寄せてくるんです。
緊張感と関係しているのかしら…不思議です。

短所は長所に?!

鼻声が魅力的な芸能人もたくさんいらっしゃいますよね。
黒柳徹子さん、YOUさん、鶴田真由さん、吉高由里子さん等々。
どこか丸みを帯びていて、暖かみや素朴さを感じる声。
甘えたような色っぽさを感じる声。
鼻声も捨てたもんじゃない。

そして、コンプレックスを持つ事もまんざら悪くないなと思うのは、そこを何とかよくしようと努力するから。
努力している間に、おまけがついてきて、他の部分も知らず知らずのうちに一緒に磨かれていたりします。
自分の声を知る事で、その特徴を活かしたり、短所を補う方法を見つけたりできます。努力は裏切りません。幅を広げてくれます。
あなたの声の特徴は、なんですか?

ボイスヒーリング効果

「音楽療法」と言う言葉は、皆様ご存知かと思います。交感神経優位ではなく、音楽を聴く事で、副交感神経を高め心身を和ませ安静状態にする療法です。 音楽療法と言うもの。副交感神経を刺激する音域というものがあるそうです。それを多く含んでいるのがモーツァルトの曲だそうです。その他には、バッハのG線上のアリア、そして、二胡の音色も高い効果を得ているそうです。

「1/fゆらぎ」と言う言葉も聞いた事がありませんか?

言葉で説明すると、「規則的な揺らぎに不規則な揺らぎが少し加わり、かつ調和した状態。」だそうですが、水面の揺れ、波、雨音、小川のせせらぎ、木漏れ日、キャンドルの炎、電車の揺れ、人の心拍の間隔、などが例として挙げられます。

人の声にも現れるそうで、代表的なのは、美空ひばりさん、宇多田ヒカルさん、松任谷由実さん、福山雅治さん、徳永英明さん、吉田美和さんなどが挙げられます。 小泉純一郎元首相、ジャパネット・たかたの元社長、高田明さんもそうで、演説やテレビ通販では、心を奪われた方々も多いですよね。

私の声に、この素晴らしい方々のような特徴があるかどうかは分かりませんが、発声の仕方を工夫しコントロールすることで、人に心地よさや癒しを与えられるのではと考えています。その具体的な方法は、またの機会にお話したいと思います。

森藤りか