司会・ビジネスボイスPro講師 森藤 りか

コラム 声×言葉

コラムVol.22『ステイタス』2020年1月

コラムVol.22『ステイタス』2020年1月

令和最初の新年。東京オリンピック開催もあり、日本が世界から注目される年になりますね。そして、十二支でも一番目の子(ね)の年です。新たな芽生えと子孫繁栄の象徴と言われます。

皆様は今年、何にチャレンジされますか?素敵な1年になりますように。
さて今回は、『ステイタス』について書きます。

『ステイタス』とは

「社会的地位、身分。それを表す状態のこと。」という意味です。
高級外車や高級腕時計、海外旅行をよくするとか、ブランドものや宝石を身に付けている事が、「ステイタスシンボル」になり、ステイタスが高い人とみなすことが多いと思います。営業する時は「その人の、靴を見なさい。」と言われた事もあります。よく手入れされた上質な靴を履いている人は、余裕を感じさせますね。

「ステイタスシンボル」

これは身に付けている物だけでしょうか?その人の態度だったり、選ぶ言葉だったり、語気だったりにも表れると思いませんか?無意識に、人はそれぞれのステイタスに収まるように関係性を保っています。この「ステイタスシンボル」に気をつけて会話をしてみて下さい。

今まで気付かなかったその人の性格や、現状が見えてきます。
すると、今まで苦手だと思っていた人が、とても愛らしいと感じるようになったり、頼りないと思っていた人が、実は真の強い人と分かって安心して仕事を任せられるようになったとか、関係性を変えるきっかけになります。

「ステイタスワークショップ」

『ステイタス』を意識したインプロビゼイション(台本のない即興劇)のワークショップは、日常のコミュニケーションにとても役立ちます。例えば、家族、会社、学校、飲み会、女子会、異業種交流会など場面設定を決めます。1対1、もしくは3人で何者かになって会話を始めます。好きな事を喋って、会話を続けていくのです。そのうち、お互いの力関係がはっきり見えて来ます。

「ハイステイタス、ミドルステイタス、ローステイタス」。
微妙な幅はありますがだいたいこの3段階に区切って考えます。それぞれのステイタスレベルに分かれる事もあれば、全員がハイステイタス、または全員がローステイタスでぶつかり合う事もあります。観ていても、やっていても面白いのは、そのステイタスレベルを演じようとあの手この手を考えた言葉や態度を生み出してくるところです。

それが、声と言葉の「ステイタスシンボル」です。
簡単に言えば、偉そうな態度と、萎縮した態度なら、2人のステイタスはハイとローです。これをもう少し繊細に感じたり、演じてみると、たくさんの気づきが生まれます。自分自身の発見もあります。
今、あなたはどの『ステイタス』で人と会話をしていますか?

森藤りか