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コラム 声×言葉

コラムVol.56『季節感Ⅱ』2022年11月

コラムVol.56『季節感Ⅱ』2022年11月

ふと、住宅街のどこからか甘い香りがしてきて、とても懐かしい気持ちになることがあります。そして、辺りを見回すとオレンジ色の花をつけた金木犀を見つけることが出来ます。この季節ならでは、です。小学校の中庭とか、登下校の通学路を思い出します。今回は香りにまつわる季節感について書きます。

プルースト効果

香りを嗅ぐ事で、懐かしい昔の記憶やその当時の感情が蘇る現象をプルースト効果と言います。フランスのプルーストという作家の代表作の中に、マドレーヌが焼けた匂いから幼少の記憶を思い出す一節があり、香りを嗅いで記憶や感情が蘇る現象をプルースト効果と呼ぶようになったようです。少し前に、歌でもヒットしましたね。瑛人さんの「香水」という曲です。「別に君を求めてないけど 横にいられると思い出す 君のドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ」この一節がまさにこのプルースト効果ですよね。香りで記憶がフラッシュバックする事は私たちの日常にもよくある出来事で、そこに共感する人たちが多かったと思います。

香りに関する脳の仕組み

プルースト効果が起こる理由は、人間の嗅覚と脳の仕組みが関係しているそうです。脳への伝わり方が他の感覚とは違うのだそうです。脳には思考を司る大脳新皮質と、感情や本能を司る大脳辺縁系があります。そしてその大脳辺縁系の中に、記憶を司る海馬があります。私たちの五感の中で、「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」は、まず思考を司る大脳新皮質を通ってから記憶を司る海馬へ送られます。でも、「嗅覚」だけは大脳新皮質を通らずに、記憶を司る海馬のある感情や本能を司る大脳辺縁系と、自律神経系を司る視床下部に直接、送られるのだそうです。ダイレクトに伝わるため、他の五感より記憶や感情や本能に働きかける力が強いと言われています。香りが記憶と密接な関わりを持つのはこのためです。人の身体の、脳の、仕組みって不思議で面白いですね。

サイレント・ランゲージ(沈黙の言葉)

香りは、サイレント・ランゲージ(沈黙の言葉)とも呼ばれ、色々な事に応用されているそうです。何回かに渡ってこれから書いて行きたいと思います。季節や情景を香りで感じ、それを共感、共有できるなんて素敵ですよね。使い方によって、サイレント・ランゲージ(沈黙の言葉)も、話すお仕事や伝えるお仕事でも活用できると思います。ではまた、次回。

かやくりか