司会・ビジネスボイスPro講師 森藤 りか

コラム 声×言葉

コラムVol.32『聞き上手になる5つの方法』2020年11月

コラムVol.32『聞き上手になる5つの方法』2020年11月

秋から冬へ移ろう季節。そして霜が降りる月と言う意味で、霜月と呼ばれる程、11月は冷え込みが深くなる頃です。そんな季節だからこそ、ほっこり会話術で人との関わりは暖かくしたいですよね。まずは、相手に気持ち良くお話してもらうため、聞き上手になることです。今回は聞き上手がしている5つの方法をご紹介します。

1.あいづちを打つ(共感)

あいづちが心地よいと確実に話が弾みます。会話にリズムが生まれて、楽しくなるからです。そして、話が伝わっていると実感できると、嬉しくなるはずです。
例えば、
「すごいですね。」
「面白いですよね。」
「はじめて聞きました。」
「びっくりですね。」
「素晴らしいですね。」
「勉強になります。」など。
相手の話を聞いて、自分がどう感じたのかという「気持ちや感想」を相槌で伝えるようにしています。

ちなみに余談ですが、あいづちは、鍛冶が鉄を鍛える時、師が打つ槌に呼吸を合わせて弟子が槌を打つことが語源になっているそうで、ふりがなは「ず」ではなく、「づ」になります。「相槌を打つ」が正しく、「入れる」は間違った使い方とされています。
入れるのは合いの手です。

2.ひとこと添える

会話、対話、コミュニケーションはよく、キャッチボールに例えられます。投げて、受け取って、投げ返す。相手の話に共感した上で、その話にちなんだ情報をあいづちにプラスして投げ返します。これを繰り返すことで、流れを止めず会話が続いていきます。

3.うなづく

うなづき上手になりましょう。聞き上手は、表情も身振りも使います。
うなづき方にも、いくつかパターンがあります。

  • 小刻みにうなづく「おっしゃる通りですね。」(共感)
  • 眉をあげてうなづく、目を見開いてうなづく「へぇ〜」(驚き)
  • 力強く、大きくうなづく「はい。」(理解)
  • ゆっくり、深くうなづく「そうですね。」(真剣さ)

4.復唱する

相手の話のポイントとなる部分を復唱し確認すると、ちゃんと伝わっているという安心感が生まれます。そして、心の扉が開きやすくなっていきます。相手が言った最後の2〜3語を復唱して、②のひとことを添えるとさらに会話が弾んでいきます。

5.ほめる

おべっかを使うことではありません。もっと真剣に相手に向き合ってこそ出来ることです。相手の細かい所まで観察し、相手を知り、場合によっては相手も自分では気付いていない素晴らしさに気づき、それを伝えることです。どんな些細なことでも長所を見つけてそれを伝えようと意識をしたならば、相手に興味を持ち、感心を持ち、対話を進めていきますよね。
そして、ほめられて怒る人はいません。気持ち良くなってどんどん話したくなってしまうでしょう。

聞き上手になることで、相手の情報がたくさん引き出されていきます。司会としてインタビューでも必要なスキルですが、ビジネスシーンでも営業でも活かせるスキルです。

森藤りか