司会・ビジネスボイスPro講師 森藤 りか

コラム 声×言葉

コラムVol.34『オンラインで好感度アップのコツ②声色・テンポ編』2021年1月

コラムVol.34『オンラインで好感度アップのコツ②声色・テンポ編』2021年1月

2021年。今年のお正月はステイホームでオンライン帰省の方も多いようです。離れていても元気な姿を見ることが出来て笑顔で話せますし、渋滞に巻き込まれることもありません。お年玉も画面上でお渡し会をやって、ネット送金という話も聞きました。オンラインは今後ますます当たり前、ですね。では、『オンラインでも好感度アップのコミュニケーションのコツ』2回目の今回は声色やテンポのお話です。

声色を使いわける

オンラインの音声はパソコンなどを通して耳へ届きます。そして相手がこちらの顔を見れておらず、音声だけを聞いている状態もありえます。ですから電話対応と同じような点を意識すると良いでしょう。まず、電話に出る時、皆さんは声のトーンを上げませんか?
そして、相手が身近な人だと分かると急に声のトーンは下がります。話が盛り上がってくるとまた声のトーンは上がります。このように気持ちによって、声のトーンは変化します。
対面でも話上手な方は意識的に使い分けていますが、オンラインでは特に意識をして、声のトーン、声色を使いわけて下さい。最初は、2段階から試してみます。普段の声と、鼻から声を出すイメージの、少し高めの声の2種類です。
そして、出来れば3段階(高・中・低)を使えるようになると、表現にメリハリが生まれます。使い分けのイメージとしては、

  • 明るく元気に楽しく爽やかにワクワク感を表現するには高めの声色。
    ファーストコンタクトは高めの発声で、溌剌とした好印象を感じて頂けます。
  • 真剣に、重大に受け止めている感じや悲哀、謝罪の気持ちを表現する時には低めの声色。
    信頼感や落ち着いた印象を与えられ、相手は悩みや課題を打ち明けやすくなります。
  • そして、それ以外は、中。

場の目的や自分の役割によっても使い分けて下さい。
言葉×声で連動して、心の動きを表現出来ると素敵ですね。意識と訓練で身に付けましょう。

テンポを使いわける

画面の映像と音声の情報の限られた世界で、その場の空気感を作るためには、音声、声、話し方を工夫することしかありません。次にチャレンジして頂きたいのは、テンポです。
対面でも、早口で話すのは相手に伝わりにくく印象も良くありませんがオンラインでは、尚更です。オンラインでは、一音一音をはっきり、丁寧に発音することを意識してみましょう。
そして、特に相手に伝えたいところはゆっくりと話してみましょう。このテンポも3段階(高・中・低)を使い分けられると相手の受け取り方に違いが生まれます。例えば、ややゆっくりなのか、かなりゆっくりなのかですが、ゆっくりとしたテンポで言葉を大切に話されると、その言葉をしっかり受け止めるために聞く側はじっと聞き入りますよね。
コミュニケーションには、相手への配慮や気遣いが必要です。言葉のやり取りは心のやり取りです。
逆に普段からゆっくり話す方は、相手とのテンポに違いに気付くことからスタートして頂きたいです。恥ずかしがり屋だったり、言葉を選びすぎていたり、相手の出方を見過ぎている傾向です。
対面にしても、オンラインにしても、意思の疎通を図ることを目的として、その時間を過ごすわけですから、お互いの大切な時間を無駄にしてはいけません。
自分の話している声を録音して、自分の声色とテンポがどう聞こえているかチェックしてみて下さい。

さて、今回書かせて頂いた、声色とテンポを誰でも自然に変えられる方法があります。
それは、BGMです。実際にBGMを流すのではなく、頭の中で、話す内容によってBGMを使い分けて、頭の中の音楽に合わせて話すのです。面白いので是非やって見て下さい。

森藤りか