司会・ビジネスボイスPro講師 森藤 りか

コラム 声×言葉

コラムVol.17『表情筋トレーニング』2019年8月

コラムVol.17『表情筋トレーニング』2019年8月

さぁ!本格的な夏!皆様はどんな夏をお過ごしですか?この夏、私は、富士山に登ります!初挑戦です。登る事を決め約1ヶ月半の準備期間、毎日歩いたり、近くの山を3つ登ったりトレーニングをしています。ほとんど運動をしていなかったので、最初の山に登った後は、びっくりするくらい激痛で動けない程の筋肉痛になりました。

人の身体って凄いと思いました。鍛錬すればきちんと答えてくれます。どんどん動ける身体になっているのを感じます。しかし、標高3776.24mの富士山。未知の世界です。不安もありますが、とても楽しみです。さて今回のコラムは、トレーニング繋がりで、『表情筋トレーニング』について書きます。

表情筋とは

顔の目鼻口などを動かす筋肉で、30種類以上の筋肉が相互に作用して様々複雑な表情を作り出します。表情筋は頭と顔全体の表層にある薄い板状の筋で、皮膚とくっついています。身体の筋肉は、骨と骨をつないでいますが、顔の筋肉は骨と皮膚につながっているため細かな表情を作り出すことができるのだそうです。

また、意志によって自由に動かせる随意筋です。しかし残念な事に、表情筋は通常生活では全体の30%しか使っていないのです。残りの70%を使えたら…わくわくしませんか?!

表情筋を英語で言うと、mimic muscles ミミックマッスルなんですって。なんか、可愛い。。。

30%しか使っていない結果…

筋肉は使わないと衰えていきますよね。表情筋も同じで、鍛えないと衰えていきます。

また、日本語は表情を変えずに話せるので欧米人に比べて表情筋を使えていないそうです。無表情で筋肉を使わず衰え、さらに加齢などが原因で衰え、衰えた表情筋は今まで保っていた顔のハリなどのバランスを崩し、顔が下がってたるみ、しわが入ります。血行悪くなり、顔色もくすみ、くまも出来やすくなります。そして、たるみが毛穴を目立たせたり、どんどん老け顔へと進むきっかけになります。ゆるせません!抗いましょう!

表情筋は動かしづらい

筋肉は意思によって自由に動かせる随意筋と、自分の意志によって動かすことができない不随意筋(自律神経の支配を受けて動く内臓や血管の壁の筋肉、心筋など。)に分かれます。

表情筋は随意筋です。
また、筋肉を構成する筋繊維は大きく分けて2種類あります。縮む速度が速い「速筋」と、縮む速度が遅い「遅筋」です。表情筋は90%が遅筋でできています。表情筋の僅か約10%が「速筋」です。速い動きが得意ですが、疲れ易い性質で、鍛えると早口言葉が言えるようになりますが、顔の表情を保つことにはあまり関係がないようです。

表情筋の大部分を占める「遅筋」はゆっくりな動きが得意です。内臓筋由来であるため副交感神経、自律神経の働きと密接に関係があるため、エクササイズ方法が難しく、動かしにくいのが特徴です。

なぜ表情筋トレーニングなのか?

声を使うお仕事をしている私は、この先もずっと綺麗な声を維持したいですし、人前に出るお仕事なので、出来る限り、若々しくありたいと思います。表情筋のほとんどは、直接的または間接的に口輪筋と結びついています。なので、口輪筋を動かすことで表情筋全体を動かすことができます。表情筋トレーニングは美しい声と若々しい顔、表情、両方叶える事ができるのです。

表情筋を鍛えると たくさんのメリットがあります。シワ、たるみが改善され、表情豊かに、好印象になります。アンチエイジング効果〜♡
血行も良くなって顔色のトーンもあがります。美白効果〜♡
筋肉を付けてあげることによってお顔がリフトアップします。小顔効果〜♡

摂食機能障害の改善や、右側前頭葉の脳血流が良くなることから認知症の改善や、 失った身体機能の改善、寝たきりの予防などの事例も報告されているようです。

私が実践している鳥山真翔先生の鳥山式美顔ボイトレは、いい声を出そうと力まず、声帯周りの喉はリラックスした状態のまま、表情筋で発声をコントロールして、鼻腔に共鳴させ、自然にいい声が出るトレーニングです。「口角挙筋」がキュッとあがり、首に縦の筋が入らない発声法を目指しています。私の顔の写真でその変化がわかるでしょうか?

上段左はトレーニング前です。上段右は約10分のトレーニング後です。全体に少しリフトアップしたように見えます。

下段左は上段右の撮影から1時間休憩した後の写真です。10分トレーニングの効果は時間が経つとさらにじわっとあがるのがわかります。2回目の10分トレーニングをした後の写真がその隣、下段左から2枚目です。下段右2枚は、それから約2週間後のbefore→afterの写真です。上段左から下段右を比べると、顎のラインがシャープになり、頬の位置が高くなっています。

表情筋はトレーニングすれば必ず応えてくれる筋肉です。これから、やり方をひとつずつ詳しく紹介していきます。今回は、動かす前に知っておいて頂きたい表情筋についてのお話をさせて頂きました。

森藤りか