コラム 声×言葉
コラムVol.18『口を動かす筋肉の運動』2019年9月

夏から冬へと向かうこの時期、寒暖差や台風の影響で激しく変動する気圧に、身体は対応しようとして何をしなくても疲れますね。「夏バテ」引きずり「秋バテ」の方もいらっしゃるようです。
夏の疲れをリセットし冬の身体を作るためにも、暑い時期のシャワー浴習慣をそろそろ入浴習慣へ切り替えようと思います。今回は、入浴中にも出来る『口を動かす筋肉の運動』について書きます。
聞き返されることが多い方
会話をしていて、聞き返されることが多い方の特徴として、声が小さいとか、早口もありますが、それ以外では、ボソボソ、もごもご喋っていることが多いと思います。
観察してみると、そういう方はあまり口が動いていません。前回も書きましたが、日本語は口をたくさん動かさなくても喋れる言語です。ただ、聞き返されることが多かったり、伝わらないことがあるのはもったいないですね。
口の周りの筋肉を動かせるようになると、きっと改善されると思います。
ほうれい線が気になる方
小鼻から口角へとくっきり刻まれるにっくきライン。若い頃にはなかったですね。ほうれい線がはっきりくっきり出て来てしまうのは、加齢です。頬や口もとの皮膚がたるみ、頬の脂肪が下がってくることが原因です。お肌の潤いや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンを補うことも大切ですが、やはり、口の周りの筋肉からのアプローチも必要です。
笑顔がうまく出来ない方
顔の筋肉は使わないとどんどん動かなくなっていきます。表情の変化を表さないことも時には必要かも知れませんが、自然な笑顔で会話できたら、好印象ですし、爽やかで気持ちよい時間を共有できますよね。それが、笑顔ひとつで生まれます。凝り固まった顔の筋肉、特に口の周りの筋肉からほぐしていきましょう。
「う」でくちびる回し
① 歯を軽く噛んで、「う」の口をします。
② そこから思いっきり口を前に突き出して尖らせます。
③ その形を維持したまま、右→下→左→上、ぐるっと一周動かします。
④ 次は逆回し。「う」と思いっきり口を前に突き出して尖らせ、その形を維持したまま、左→下→右→上、ぐるっと一周動かします。
最初はとても動かしにくいと思います。慌てずゆっくりと動かしてみて下さい。
ガチガチに固まってしまっている方は、両手の中指と薬指を小鼻の横にあて「口角挙筋」の動きを手伝ってあげて下さい。変顔になるので少し恥ずかしいですが、動きをしっかり確認するためにも鏡を見ながらやるといいです。慣れてくると、指をあてなくても、自分の意志だけで動かせるようになります。是非、毎日続けてみて下さい。
口の周りの筋肉がほぐれて、動かしやすくなると、はっきりとした発音で喋れるようになります。そして、自然な笑顔、若々しい表情で会話を楽しんで下さい。
私がこの方法と出会った時はちょうど春の花粉症の時期で、鼻が詰まって鼻声だったのですが、この「う」でくちびる回しの動きをしたら、鼻がすうっと通るようになって本当に驚きました。鼻炎の方にもオススメです。