コラム 声×言葉
コラムVol.24『声が綺麗になる“うがい”の仕方』2020年3月

今年はマスクをつけている人が多いですね。新型ウイルス対策で今までしなかった人もしています。私は冬と春はほとんど毎日マスクをつけています。インフルエンザ対策と既に飛散している花粉症対策でもありますが、声を守るために寝る時もつけます。
今日は、マスク、プラスアルファ声を守るために続けていることの1つ “うがい”について書きます。
毎朝、マグカップ1杯
マグカップにぬるま湯を入れたら、全部使い切って“うがい”をします。うがい薬は使いません。ぬるま湯か水で充分です。
まずは、1回、“ぶくぶくうがい”をします。口内の洗浄です。ぬるま湯を含んで、口を閉じたまま、頬を左右交互に膨らませぶくぶくと口内を隅々まですすぎます。
次に、“ガラガラうがい”をします。喉の洗浄です。
ぬるま湯を口に含んで、上を向き、口を少し開け、喉の奥を鳴らすように「あ〜」とか「お〜」と声を出しながら10秒間くらい“うがい”をします。ぬるま湯を喉の奥で振動させて洗浄します。
この“ガラガラうがい”を何回か繰り返します。ぬるま湯が無くなるまで、ゆっくり時間をかけて“うがい”をします。
この時、吐き出したぬるま湯を注意深く見てみると、痰(たん)のような、少し粘度のある液体が出ているのに気がつきます。 これが取れると本当に、喉がすっきりします。声の出方が変わります。声を出すときの引っかかりが無くなります。
半信半疑でも良いので、是非、毎朝、続けてみて下さい。
痰が声を邪魔している!?
痰(たん)は、健康な状態でも体の中で常に作られていています。通常は分泌量も少ないため、知らず知らず胃の方へ流れています。ただ、ウイルスや細菌などの異物が入り込むと、それを抱き込み、絡めて、粘度や色のついた痰(たん)の塊となり、繊毛(せんもう)の動きで吐き出されます。人間の生態的防御反応です。
その痰(たん)を外に出そうと、「咳払い」「痰(たん)切り」を繰り返すことで声帯に力がかかってしまい、声帯に炎症が起きてしまう事があります。
また、乾燥が原因でも、痰(たん)が出やすくなります。粘度が濃くなります。冷たくて乾いた空気を吸い込む事で、喉の粘膜が炎症を起こしやすくなります。鼻詰まりの人は口呼吸をしてしまいますが、これも喉の炎症を起こしやすいのです。マスクで湿気を保つのも方法です。
“うがい”は、喉の乾燥を防ぎ、喉の繊毛(せんもう)の働きを高めてくれるため、痰(たん)を防ぎ風邪の予防にも繋がります。そして、声の通り道が滑らかな状態になるので、綺麗な声が出せるようになります。
必要なのは、潤い
お肌にも、髪の毛にも、心にも、結局必要なのは、『潤い』です。声帯にも、なのです。潤いを失った声帯は、動きが鈍くなり滑らかに振動しなくなるのです。声帯の潤いを保つためには、“うがい”と水分摂取が大切です。
いつだったか、椿鬼奴さんが1日1.5リットル〜2リットルのお水を10日間飲んで実験をしたのをテレビで見た事があります。声帯が潤うと声帯の動きも滑らかで速くなって、きちんと左右が閉じるようになりました。声に雑音が混じる割合の検査も改善されていました。 声を若返らせる魔法の液体=水と紹介していました。
また、同業の先輩から、パイナップルが痰(たん)を切りやすくしてくれると教えて頂いた事があります。タンパク質を分解する酵素があるからだと思います。良いと聞いた事は一通り試します。
毎朝、マグカップ1杯のうがい。本当におススメです。