司会・ビジネスボイスPro講師 森藤 りか

コラム 声×言葉

コラムVol.70『言葉選びXⅢ』2024年1月

コラムVol.70『言葉選びXⅢ』2024年1月

2024年は甲辰(きのえたつ)です。 「甲」は十干の始まりにあたり、生命や物事の始まりを意味します。十二支の「辰」は草木が伸長し、形が整い、活気にあふれている様子を表します。そのため昨年まで努力してきたことが実を結んで成就する年になると言われています。
天高くのぼる竜に守られる辰年。「強運」や「お金に困らない」といった言い伝えもあります。皆様にとっても良い年になります様に。

敬語とは。

敬語の使い方、タメ口効果、ミックス技、人との距離感など数回に渡り書いてきました。今回は敬語についてのまとめをしたいと思います。敬語とは、その人を尊重しようという気持ちを表すこと、その人の立場に配慮すること、その人と親しいかどうか親しさの程度を示すことなどの意識に基づいて使うものです。また、すべての人は基本的に平等ですから、一方が必要以上に尊大になったり卑下したりすることなく、お互いに尊重し合う気持ちを大事にすることが大切です。このような「相互尊重」の気持ちを基本として敬語を使うことが重要です。

敬語だけが相手を敬う手段ではありません。

敬語を使わなくても その人の良いところ、尊敬しているところを言葉で表現するのも良い方法です。恥ずかしがらずに伝えると好感度もアップし、より深い信頼関係を築けます。他には、行動や態度など非言語コミュニケーションで敬意を表す方法があります。非言語コミュニケーションは人の心や感情に訴える力がとても大きいです。服装、身だしなみ、マナーエチケット、声の大きさ、表情、所作、立ち姿勢、座り姿勢、座り位置、頷き、お辞儀、歩き方、などで敬意を表します。例えば、座って相手の話を伺う時、頬杖をつく姿勢はご法度です。身体は左右対称を心がけ、顎を引き、相手の目をみながら相づちを打つことで、敬意を保つことができます。不快感を与えたり、規律が乱れることのないように充分配慮しながらTPOに応じて、正しい敬語とくだけた敬語を使い分けできれば最強です。

敬意と親しさのバランス感覚を磨きましょう。

森藤りか