司会・ビジネスボイスPro講師 森藤 りか

コラム 声×言葉

コラムVol.48『きくチカラⅥ』2022年3月

コラムVol.48『きくチカラⅥ』2022年3月

春。身も心も軽やかで爽やかな日々をお過ごしでしょうか?今回は前回の深掘りで、嫌いという感情が起こってしまった時の対処法を冷静に分析したいと思います。嫌いを好きにまでしなくともとりあえず平気くらいにしておくことで、豊かなコミュニケーションをとる事ができます。言葉や話し方以前にメンタルが重要なのです。

嫌いの理由は何でしょう?

傷つけられた?なぜ傷ついた?
嫌な想いをさせられた?何が嫌だった?
ただなんとなく嫌いということもありますが、何かしらの理由がちゃんとそこにはあります。前回、危険から身を守る脳の仕組みが嫌いという感情を作る事、そして、誰かに聴いてもらう事で自分の気持ちを整理できると書きました。もやもやの中にどっぷり浸かったままにせず、何かしらの突破口を探り出してみましょう。
まずは、第一段階。
悪口を言われた?噂話をされた?嫌みを言われた?嫌がらせをされた?ハラスメント?自己否定された?自分は絶対にしない許せない事を平気でしてくる人だった?足を引っ張られた?騙された?陥れられた?強かな人だった?

その理由に潜む深層心理は?

第2段階は、利害関係、上下関係など関係性を考える。
距離を置ける相手なら、離れてしまえば良いことです。

でも、そうはいかない場合は、自分の心と折り合いをつける方法を見つけて下さい。
相手が自分に対してなぜそういう言動や態度をとるのか?そうせざるを得ない事情があるのか?競争心?戦略なのか?
そこには、少し認めたくない事ですが、自分自身の中に相手の言動を嫌と感じてしまう何かがある事もよくあることです。例えば、嫉み。本当は、自分もそうしたかったのに出来なかったとか、自分の中の嫉みそねみからも嫌いという感情は生まれます。こういう理由と向き合うのはとても苦痛ですが、思い切って認めて開き直ってしまう方が楽になります。冷静に自分と相手との関係を認識することができるようになります。そして、割り切って考えることが出来れば、いちばん大切な自分自身のことに集中できるはずですよね。

自分の気持ちが一番大事

第3段階は、自分の気持ちを伝えるか伝えないかを選択する。
もしも伝えるのであれば、伝えるのは、今自分が感じている気持ちだけです。あなたのせいで、という部分は決して伝えないことです。相手を責めれば、反発心からさらに攻撃を生みかねません。そして、気持ちを伝えれば、相手が変わるかもと期待をしてもいけません。また、仕返しのように相手に嫌な想いをさせるために伝えるのもダメです。あくまでも、自分の気持ちが明るく前を向き、軽やかに前進するためだけを考え、自分の中で伝えた方が良いのか、伝えなくても良いのかを決めます。
相手がどうのこうのではなく、結局、自分自身のメンタルの幸福感を維持するために、どう考えてどう行動するかです。

結婚式の司会をさせて頂くお客様や、インタビューをさせて頂くお客様の中にも、苦手な(嫌い…というか)お客様に出会う事もあります。相手に悟られたら終わりです。お仕事ですので、その方に喜んで頂けるよう、最高のパフォーマンスを目指します。そのためにメンタルの切り替えが必要になります。営業や外交の現場でもきっと必要な事でしょう。詳しくはまた。

森藤りか