司会・ビジネスボイスPro講師 森藤 りか

コラム 声×言葉

コラムVol.14『声・のどのケア』2019年5月

コラムVol.14『声・のどのケア』2019年5月

大変お恥ずかしいのですが、のどをひどく痛めてしまい約1ヶ月間、プロとしての声を出すことができませんでした。常日頃、のどのケアには気を付けていたはずなのに…自戒の念と、のどや声でお困りの方の参考にして頂ければという想いを込めまして、この度の記録と声・のどのケアについてお話します。

まさか?!ここまで?!

ある朝起きたら、声がかすれてほとんど出ない!?
数日前から少しいがらっぽさはありましたが、まさか?!という感じでした。すぐに耳鼻咽喉科へ行き、ファイバースコープ検査をしたら、両側の声帯全体が白くブヨブヨになって、倍程の太さになっているのが見えました。血管も浮き出て、浸出液が出ているのもわかりました。

診断名は、「ポリープ様声帯(ポリープようせいたい)」。
よく耳にする、声帯の一部がこぶのように腫れる「声帯ポリープ」とは異なる病気です。

「ポリープ様声帯(ポリープようせいたい)」は、声帯全体がむくんだように腫れ、水ぶくれのようになる状態で、声は重く、低音の嗄声(させい)しわがれ声となります。極端に腫れて大きくなった場合、空気の通り道をふさいで呼吸困難におちいり、気管切開が必要な場合もあるそうです。まれに合併症として喉頭がんを引き起こすこともあるということでした。

大きな声を出したり、声を酷使する仕事や趣味の人、そして女性に多い病気だそうです。また、たばこの吸い過ぎと密接な関係があるともいわれています。残念ながら、お酒もタバコもまったく嗜みのない私でございます。ただ、タバコに関しては副流煙からの受動喫煙でも影響があるとのことでした。

若い人にはあまりみられないので、ホルモンとの関係も示唆されていますが、ほんとうの原因は不明なのだそうです。私の場合、最初に感じた喉のいがらっぽさは、たぶん毎年の花粉症からで、違和感を感じながらも酷使して、悪化させてしまったのではないかと思います。

アレルギー性鼻炎・花粉症の対策

私は20年来のアレルギー持ちです。以前検査をし、スギ、ヒノキ、イネ科、ブタクサ、イヌ、ネコ、ハウスダストなどに反応することがわかっています。くしゃみ鼻水鼻づまり、そして、後鼻漏(こうびろう)で、鼻水が喉に降りてのどの粘膜を痛めてしまうこともあります。

美しい声には大敵です。それを、様々な方法で対処してきました。

こまめにお水を飲みます。鼻水に混ざった雑菌を、長時間のどにとどめないようにするためです。声帯・のどの保湿も大切です。
そして、マスクは必須です。2万円のマスクも持っています。色々試して辿り着いたのは、アラクスのピッタマスク(PITTA MASK)です。ポリウレタン素材でつけ心地が軽いのに、顔に密着してくれて、でも耳が痛くならない、頬に跡がつかない、息苦しくない、メイクがつかない、洗って使える、といいことづくめの優れものです。

また、スプレーも使います。イオンのベールをまとって、静電気の発生を抑え、、花粉、ウイルス、PM2.5、ハウスダストなどの微粒子を付着しにくくしてくれます。資生堂薬品 IHADAイハダアレルスクリーンEX スプレータイプを使用しています。

アレルギー薬について

薬を飲むことに抵抗があるという気持ちもなくはないですが、アレルギー症状がお仕事に障るので私は服用します。花粉が飛び始める前、半月程早めに服用をスタートします。薬の種類は、人によって合う合わないがありますので、2週間ずつ試して探すと良いでしょう。今まで、耳鼻咽喉科で処方して頂いたのは抗ヒスタミン薬のアレグラ、ポララミン、クラリチンです。病院に行けず薬だけ欲しい時には、スギ薬局グループオリジナル商品、S SELECTのハリー鼻炎FXを常備してあります。

今年は、ビラノアという薬を処方して頂きました。この薬、眠くなりにくく、一日1回の服用で効果が高く、約45分と比較的早い時間で抗アレルギー作用を実感できるそうです。副作用として口の乾きや鼻の乾燥感もあまり感じません。注意が必要なのは、空腹時投与です。服用から1時間は食事をしないこと、食後なら2時間後の服用と指導されました。食事の影響を受けると、体内に吸収されるビラノアの成分が40%低下してしまうそうです。それはもったいないですね。夜寝る前か起床時がお薦めとのことで、私は起床時に飲んでいます。

花粉+黄砂の恐怖

この時期、同業者の中にも、声枯れをしていたり、鼻声だったり、咳がひどいという方が多いです。声・のどのケアには要注意の時期なのです。

原因は黄砂ではないかと言われています。黄砂には、ばい菌やカビ、排気ガスやPM2.5などがくっついて飛んでくるそうで、花粉症の症状を悪化させている可能性が高いそうです。そして、その粒子の細かさから、防ぐことも難しく、のどの違和感や声枯れ、咳など、鼻以外の症状を重くする傾向があるようです。

強い味方!「はちみつ」

のど飴やタブレット、龍角散ダイレクト(顆粒)、のどスプレーなどにも助けられていますが、今回、強い味方としてあらためて見直したのは「はちみつ」です。咳は、夜寝る時に激しくなりますよね。「はちみつ」をスプーン1杯口に含んで床に就くと、咳を押さえることができました。「はちみつ」はすぐに飲み込んでしまうのではなく、のどに万遍なく貼付くように行き渡らせ時間をかけてゆっくり飲み込みます。

いろいろ調べてみると、アメリカのペンシルバニア州立大学の研究チームが、はちみつの咳止め効果を実証しています。はちみつの殺菌力によってのどなどについた細菌の増殖をおさえ、痰の切れをよくして、保湿効果でのどを潤す、という効果から、咳を止めることが出来ると考えられています。また、はちみつには鎮静作用があり、ストレスを取り除き、安眠を誘う作用もあるそうです。寝る時に「はちみつ」?って、虫歯を心配されますよね。でも実は「はちみつ」で歯磨きをする方もいるくらいで、大丈夫なんですって。磨いた後は歯がツルツルになるそうですよ。殺菌作用で虫歯や歯槽膿漏も予防し、口臭まで防いでくれるというのです。もちろん、本物の「はちみつ」低温殺菌・純粋蜂蜜です。そしてもうひとつ大切なこと。「はちみつ」は、金属に触れると変質してしまうので、木製や陶器のスプーンやハニーディッパーを使った方が良いのですよ。

今回はとても長文になってしまいました。最後までお読み下さり有り難うございます。大切な商売道具でもあり、コミュニケーション手段の要でもある声。思うように出せなくなって、とても怖かったです。不安でした。これからは、今まで以上に声・のどのケアを続けていきます。まだ、やれることはあります。

空気清浄機も新調しました。鼻うがいにも挑戦しようと思います。皆様もどうぞ、声とのどを大切に。。。

森藤りか