司会・ビジネスボイスPro講師 森藤 りか

コラム 声×言葉

コラムVol.35『オンラインで好感度アップのコツ③雰囲気作り編』2021年2月

コラムVol.35『オンラインで好感度アップのコツ③雰囲気作り編』2021年2月

『オンラインで好感度アップのコツ』シリーズと題し、オンラインでのコミュニケーションについて書き始めて3回目。今回は、打ち解けた雰囲気作りや良好な関係性を作る方法について考えてみたいと思います。

アイスブレイクを活用しましょう

ご存知の方も多いと思いますが、アイスブレイクとは、初対面の人同士が出会う時など、その緊張をときほぐすための手法です。 集まった人を和ませ、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作り、そこに集まった目的の達成に積極的に関わってもらえるよう働きかける技術を指します。これはオンラインでは、より必要なことだと思います。
対面では、名刺交換時の雑談で場を和ませることも多いですが、オンラインの場合はいかがでしょう?
やはり初対面や、関係性の薄い方同士であれば、最初の自己紹介は大切です。
マイクや機器の状態によって、声が聞こえにくかったりミュートになっていることがあります。途中で慌てないためにも、最初に、お互いの声を聞いておくようにします。そして音量や聞こえ方をチェックしてすぐに教えてあげましょう。開始時に全員が一言話すことで、アイスブレイクにもなり、場の雰囲気を柔らかくすることもできます。
ただ、長時間のアイスブレイクはかえってだらけた雰囲気になってしまい、本来の研修や会議がおろそかになってしまう場合があります。何のためにアイスブレイクを行うか、本末転倒にならないように、なるべく短時間で時間を区切って行います。相手の貴重な時間を頂いているという意識も大切です。最初の自己紹介も、30秒や1分と時間を決めて、して貰いましょう。

開始前の雑談時間を活かす

オンライン会議室に早めに入っておき、全員が揃うまでの間に雑談をします。入室して来た方に順番に挨拶をして、お礼を伝え、雑談をします。相手の興味や最近話題になっていることを話して、お互いに声を出しやすい雰囲気を作りましょう。特にホストになっている場合は、この役割が重要だと思います。最初の雰囲気作りが肝心で、相手も声が出しやすくなり、自由に意見が出せる場の方が満足度は高まり、好感度がアップします。
アイスブレイクでもよく使われますが、キーワードを決めておくと良いです。
「Good&New(24時間以内にあった良いことや新しいこと)」
「きどにたてかけし衣食住」き・気候や季節、ど・道楽(趣味)、に・ニュース、た・旅、て・天気、か・家族、け・健康、し・仕事、衣・衣服(ファッション)、食・食べ物、住・住まい

指名して意見を聞く

オンラインでは、話し出すタイミングが掴みにくいという声をよく聞きます。進行役となる人が意識的に話を振ることが意見を逃さず聞くためのポイントです。発言がない人がいたら、「感想や質問でも結構ですが、〇〇さんはいかがですか?」と明るく声をかけてみましょう。

オンライン終了後の電話フォローをする

オンライン中、相手がどう感じていたのかは、やはり気になります。聞ける相手なら電話をして確認をしましょう。進め方に問題はなかったか、内容をどう感じたのかなど振り返ります。このフォローをすることで、相手の反応や課題などを把握することができ、相手との距離感を縮めることができます。そして、オンラインのスキルもアップさせることができます。 『オンラインで好感度アップ』は、雑談からの情報収集、相手の反応からの情報収集、対面以上に難しさはあると思います。対面以上の熱意を持って相手に向き合うことが、オンラインでは必要になってくるのではと思います。

さて、Withコロナの世の中は、私たちに不要不急かどうかを考えさせてくれます。自分のひとつひとつの行動が、本当に必要なことなのか、今、やらなきゃいけないことか、いま、会いたい人なのか。 仕事でもプライベートでも、自分の想いがどこにあるのか問われる時代だと感じます。 大切なのは、心か。

森藤りか