司会・ビジネスボイスPro講師 森藤 りか

コラム 声×言葉

コラムVol.25『モテる言葉遣い』2020年4月

コラムVol.25『モテる言葉遣い』2020年4月

「春が来ました!」この言葉は文字通り[春夏秋冬の春]、花々が咲き、ひばりがさえずる麗らかな季節がやって来たという意味の他にも、[受験に合格した]という意味や、[恋人が出来た]という意味にも使われます。このHappyな言葉と季節にちなんだテーマ『モテる言葉遣い』について書きたいと思います。

綺麗な言葉・丁寧な言葉を意識して遣いましょう。

かしこまった席でも、大切な方の前でも、咄嗟の時には、つい日常的な言動が出てしまいます。ですから、司会をお仕事にしている人たちは普段から言葉遣いや、物事の捉え方、表情などに気を付けています。例えば…

・助詞を抜かない。
「明日、忙しい?」→「明日は、お忙しいですか?」

・語尾を伸ばさず、省略しない。
「〜ですぅ。」「〜でしたぁ。」「〜ですけどぉ。」→伸ばさない。
「〜っす。」→「〜です。」
「〜しょ。」→「〜でしょ。」

・「ん」に置き換えない。
「見えないんですが、」→「見えないのですが、」

・単語喋りをしない。
「コーヒー」→「コーヒーを下さい。(コーヒーをお願いします。)」
「ランチ」→「ランチを下さい。(ランチにします。)」

・若者言葉は知っていても使わない。
「マジ。」「ちょー。」「ウケる。」「ヤバい。」「それな。」「てか…。」「きもい。」「うざい。」

言葉が綺麗で丁寧な人は好感が持てます。
きちんとした言葉を使うということは、相手を思い遣る心や、敬う気持ちが込められていると感じられるからです。

気持ちや感情を伝えましょう。

ブライダル司会の打合せで「結婚を決めた理由は?」と新郎新婦に訊ねると、「自然体でいられると感じたから。」「会話が続いて楽しいと感じたから。」という答えが圧倒的に多いのです。「テレビを観ていて、笑うタイミングが一緒だった。笑いのツボが一緒だと感じた。」と答えた新郎新婦もいらっしゃいました。

会話が弾むのは、共感する部分が多いという事ですね。
そもそも、感情や気持ちを表現しなければ、共感も生まれません。
「嬉しい。」「楽しい。」「美味しい。」「綺麗ですね。」「素敵ですね。」「会いたいです。」などなど。
モテたいのなら、笑顔で、相手に分かりやすく気持ちを伝えることが大切です。

お礼と謝罪と褒め言葉を欠かさない。

「有り難うございます。」「いつも有り難うございます。」「心配かけてごめんなさい。」「遅れてしまってすみません。」当たり前のことが当たり前に言えると良いですよね。

そして、さらに関係性を良くするのが褒め言葉です。相手に興味を持って、褒めポイントをたくさん見つけて言葉で伝えて下さい。

聞き上手のさ・し・す・せ・そって聞いたことありませんか?
「さすがです。」「知らなかったです。」「すごいです。素敵です。素晴らしいです。」「センスが良いです。」「そうですね。」このさしすせそは、相手を認めて褒める言葉ばかりです。是非使ってみて下さい。

品のある言葉選びを意識しましょう。

品とは、言動や雰囲気、装い、風情や佇まいなどに、優雅で洗練された印象を感じるさまという意味です。優雅で洗練された印象を感じさせるには、どうしたら良いのでしょうか?お手本となる人を見つけて真似してみたり、本を読んだり、文化に触れて、優雅さや洗練された感覚を味わってみて、だんだんと身に付けていけるものだと思います。

品という意味で気を付けているのは、悪口、うわさ話、文句、愚痴を言わないことです。そして、前向きな言葉、行動言葉(「わかりました。」より。「すぐお持ちします。」とか「出来次第お送りします。」)を使うことも意識しています。

お茶を進められた時も、「〜でいい。」より、「〜がいい。」と答えたり、「恐れ入ります。」と言えたり、「了解しました。」ではなく「承知しました。」と言えたり…。ひとつずつ言葉のバージョンアップをしていきましょう。

お仕事もプライベートも、モテないよりモテた方が、良いですよね!

森藤りか